
ここでは月刊コンピューターテレフォニーからのニュース&トピックスを紹介いたします。
【カテゴリ】今月のキーワード
<今月のキーワード>おもてなし
今月のキーワード 2012/11/20
<今月のキーワード>おもてなし
「おもてなし」という言葉をコンタクトセンターの顧客対応において耳にすることが多くなってきた。しかし、そもそもおもてなしとは何なのだろうか。
その語源は、国語辞典によると「持て成し」であり、待遇や客に出すご馳走を意味するようだ。旅館などでおもてなしを掲げて接客する持て成しが実践されているのは既知の通りだが、近年ではあらゆるサービスシーンにおいておもてなしの重要性が説かれるようになっている。しかし、実はおもてなしという言葉そのものは辞書には載っていない。結果、あらゆる解釈があり、その実践の仕方はさまざまだ。
おもてなしを「ホスピタリティ」と考える例もあるようだが、少し異なったものではないだろうか。ホスピタリティを英語で調べると、確かに持て成しの意味には概ね合致しており、ホスピタリティと持て成しは同義のように思える。しかし、おもてなしという表現に含む日本文化の体現は、ホスピタリティには感じない。実際に「ホスピタリティ産業」は存在するが、「おもてなし産業」というものは存在しない。
持て成しに美化語の「お」をつけた言葉が「おもてなし」。不思議な言葉だが、日本人であれば感覚的に理解できる部分が大きい。それゆえにおもてなしの実現はやりがいのあるものと言える。
これからのコンタクトセンターではまさに“おもてなしの心”が必要不可欠である。おもてなしとは、実は私たち日本人が他人とのコミュニケーションにおいて当たり前に実践してきたことで、「相手の状況や心情を察し、考え、行動すること」なのだ。つまり「相手主義」のコミュニケーションということだ。コンタクトセンターの現場では「傾聴」や「共感」などのキーワードが存在し、日々それらを実践するための教育に腐心しているが、まさにそれこそが「おもてなし」ではないだろうか。実は、多くのコンタクトセンターの現場では、すでに日々「おもてなし」が実践されているのである。
これまでの画一的な顧客対応から、一人ひとりの顧客に対してより良い顧客対応をする。コンタクトセンターにおけるおもてなしの実践は、オペレータが持っているコミュニケーションスキルを最大限活かすことのできる企業全体の体制や仕組みを整えたうえで初めて実現可能となる。基本教育、センター運営構築を着実に実施し、その上でオペレータが「おもてなしスキル」を発揮できる環境を整えることが重要である。
(コンタクトセンターおもてなしコンソーシアム:大西美佳)
<今月のキーワード>リソースマネジメント
今月のキーワード 2012/10/22
<今月のキーワード>リソースマネジメント
入電するコール量に合わせて過不足なく回線と人材を配置する。入電するコールの種類に応じて、対応できるスキルを持つ人材を配置する。コールセンターにおける「リソースマネジメント」とは、この2つの要素を指し、どちらが欠けても顧客を満足させる品質は提供できない。また、あるいは現場に必要以上の負荷を強いたり、その逆にオーバースタッフィングで不要なコストを投じる結果を招く。
最も重要なポイントは、「いついかなる場合でも目標とするサービスレベルを保つ」ことにある。サービスレベルとは「X秒以内にY%のコールに応答する」という目標値で、スタッフィングの計算に活用するアーランC式において欠かせない要素だ。「いついかなる場合でも」とは、コールの増減を問わず接続品質を維持するということで「予測呼量に応じた目標サービスレベルを満たすスタッフの時間帯ごとの算出と配置」がリソースマネジメントの最大のポイントとなる。
従って、リソースマネジメントとは、?呼量を時間帯ごとに予測する、?目標サービスレベルを設定する、??、?をもとに必要な人員数を算出する(休憩時間や研修など、非対応業務時間であるシュリンケージを考慮に入れる)、?シフト表を作成、人員調整する、?実業務、?予測と実際の誤差を管理する――といった手順を踏むことになる。多くの場合、マネージャーや経験値の高いSVがこれらの業務を担当しているが、きちんと予測したうえで科学的に人員数を算出しているケースはむしろ少なく、“経験と勘”に基づいてしまう属人的な業務になってしまっていることが多い。
もうひとつ、必要となるのが「顧客がなぜ電話をかけてきたのか」というコールリーズン分析と、それに応じたスキル設定および人材育成だ。アタマ数だけを揃えても、顧客からのコールを解決に導かないことには意味がない。つまり、“量”だけではなく“質”を備えたリソースマネジメントが欠かせないということだ。
「ムリ、ムダ、ムラのないコールセンター運営」は、マネジメントの理想形であり、実現できてはじめて顧客、従業員、経営のすべてが満足するセンターを実現できる。いわば、リソースマネジメントとはセンターマネジメントと同義語といっても過言ではない。このノウハウを身に着けず、いくら「CRM」や「エンゲージメント」、「おもてなし」などの高邁な理想や目標を連呼しても、絵に描いた餅同然だ。
<今月のキーワード>コンシェルジュ対応
今月のキーワード 2012/09/24
<今月のキーワード>コンシェルジュ対応
通話時間を気にせずに解決するまで顧客に対応する。ときには、お礼の品や感謝状を送るなど、コストと手間をかけて“おもてなし”する。いわゆる「コンシェルジュ対応」である。
そもそもコンシェルジュの職業的意味とは、高級ホテルで劇場のチケットやタクシーの手配など、宿泊客に対してあらゆるサービスを提供するスタッフを指す。「顧客の要望を何でもワンストップで対応できる人」という意味合いが強いため、同じ顧客接点であるコールセンターも目指すべきという発想が生じている。
しかし、コールセンターは労働集約型の職場であることから、「生産性向上」「効率化」が切っても切り離せないミッションとして存在する。その一方で対応品質の向上も要求される。「生産性と品質をより高次元のレベルで平準化した対応」が是とされ、しかもそれを派遣社員やアルバイト、パートタイマーといった非正規雇用者や外部への業務委託で実現しなければならない。その結果、“マニュアル”が現場の拠り所として存在し、信奉されている傾向が強い。
コンシェルジュ対応を目指すセンターが口を揃えるのが“脱・マニュアル”だ。「顧客それぞれのニーズや置かれている状況、趣向に合わせた対応」を図っている。
実践のカギを握る要素は、「現場への権限委譲」「人材教育」だ。マニュアルの範囲の超えて対応する判断を、対応者であるオペレータに委ねることができるのか。また、実行に移す判断力など必要なスキルをどう育成するのか。トーンとマナーに終始した教育研修を「簡単なお仕事です」というキャッチコピーで集めた人材に施しただけでは絶対に不可能だ。具体的例を挙げれば、米ザッポスのように正社員対応を、「コア・バリュー」という共通の価値観を教えながら実践できるのか――挑戦している企業もあるが、難易度は極めて高く、いずれも途上にある。
さらに成果検証も課題として立ちふさがる。実践がどこまで収益に寄与したのかを測定するのは難しい。ひとつの手段として、対応した顧客に対するNPS(ネットプロモーター・スコア)が考えられる。「この商品やサービスを家族や友人に推奨しますか」という質問に0〜10の11段階で回答してもらい、「9〜10点」の比率から「0〜6点」の比率を引いたスコアで、「推奨度」という満足度より高いロイヤルティを測定することができる手法だ。これを中長期的に計測することで、コンシェルジュ対応がもたらしたロイヤルティ醸成への貢献度を測る。この取り組みは、すでに一部の企業で実践されている。
<今月のキーワード>ソーシャル・リスニング
今月のキーワード 2012/08/20
<今月のキーワード>
ソーシャルリスニング
顧客の声を経営資源と捉え、商品/サービス開発や業務改善に役立てるVOC(Voice of Customer)活動。実践企業では、コールセンターの電話/Eメール対応データやユーザーアンケート、モニタ制度などによって集められたVOCを共有する仕組みや制度が整備されている。
昨年来、収集チャネルとして注目度を高めているのがTwitterやFacebookをはじめとしたソーシャルメディアだ。自社ユーザー、それも「わざわざ問い合わせや苦情を寄せてくれる顧客」からの声に偏っていた従来のチャネルと決定的に異なるのは、競合他社のユーザーや不満を持ちつつ使ってくれている顧客や何も言わずに離反してしまった顧客など、幅広い層のVOCが収集できる点にある。その活動を、「ソーシャルリスニング」あるいは「ソーシャルVOC」と呼ぶことが多い。
ITベンダー各社は、テキストマイニング技術を中核にした分析ツールを相次いでリリースしており、それもクラウドサービスとして安価に利用できるソリューションが中心であることから利用企業が急増している模様だ。
いいことづくめのソーシャルリスニングに見えるが、実際には弱点――クリアすべき課題もある。
現在、収集チャネルとして最も高い価値を見出されているのがTwitterだ。発信される情報のボリューム(件数)だけなら他のソーシャルメディアを圧倒しており、検索性/アーカイブ性も高い。ところが、実際に自社サービスや商品について検索してみると、投稿手順の手軽さゆえに「いい/悪い」「おもしろい/つまらない」など、単語の羅列に終始しているケースが目立つ。つまり、“理由”がわからないため、分析しても「ネガ/ポジ分析の域を出ない」という指摘があるのだ。専門家や先進事例のなかには「だからこそ、企業側から話しかけるアクティブサポートを実践し、その“なぜ”を聞くことが大事」と指摘する向きが強い。
そもそも、コールセンターで収集するVOCに高い価値を認められたのも、オペレータとの対話によって、より掘り下げた意見を聞くことができるためだ。Twitterに限らず、ソーシャルメディアにおけるVOC活動も、「コミュニケーション」が成否のカギを握っていることは間違いないといえる。
なお、2ちゃんねるに代表される従来型のフォーラムは、「あまりにも玉石混合すぎるうえに“石”の比率が高すぎる」という指摘がある。VOCとしての価値は割り引いて考えた方がよさそうだ。
<今月のキーワード>カスタマーエクスペリエンス
今月のキーワード 2012/06/20
見た、知った、聞いた、買った、使った、奨めた――消費者がひとつの製品やサービスの購買・利用、そして継続に至るプロセスを“経験”と捉え、価値向上を図る。「カスタマーエクスペリエンス」は、CRMを進化・発展させるキーワードとして認知度が向上しつつある。
一般的には、顧客に対する訴求という観点からは以下の5つに分類される。(1)知覚経験価値(Sense):視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触感の五感を通しての訴求。ショールームやホームページ、そこでの音響効果など。(2)感覚経験価値(Feel):顧客の感情に対する訴求。丁寧な話し方、接客など。(3)創造経験価値(Think):顧客の知性や好奇心に対する訴求。商品/サービスのコンセプトや企業の理念など伝えること。(4)行動経験価値(Act):行動、身体、ライフスタイルに対する訴求。(5)準拠集団(Relate):集団、グループへの帰属意識への訴求。ユーザーグループ、ボランティア活動への参加など。
この考え方に基づくならば、顧客はWebサイトを見ているだけで経験を得ているということになる。もちろんコールセンターに問い合わせする行為も同様だ。そうした行動を通じて“事前期待”が形成され、実際に購買・活用した結果とのギャップが顧客満足/不満足となる。また、実際に利用した印象が顧客接点の対応でプラスにもマイナスにも“修正”される可能性も高い。
満足した顧客は継続利用、あるいは友人・知人へ推奨してくれる「プロモーター」となり得る。ソーシャルメディアの普及と拡大ですべての消費者が情報発信できるようになった現在、「たった1回の感動経験」を広めてくれるケースも数多い。言い換えれば、プロモーターの潜在数と波及効果は従来のいわゆる“上得意顧客”とは比較にならないほど拡大しているということだ。
TwitterやFacebookのタイムラインをつぶさに検証すると、かつての「これ、よかったら使ってみて」という類のクチコミだけでなく、「接客」に関するクチコミが多い。もちろん、ポジティブなものだけではなく、ネガティブなものを含めての話だ。つまり、顧客に感動経験をもたらし、プロモーターとなってもらうには製品の品質だけでなく、すべての顧客接点の対応品質を見直す必要があるということだ。店舗の店員、ホームページのユーザビリティ、DMや広告のデザインやコピー、コンタクトセンターの対応――とはいえ、事前期待とマイナスのギャップが生じるような“煽り”は禁物だ。その“経験”はあっという間に拡散し、一度ついたイメージを払しょくするにはさらに膨大な時間とコストを要することになる。
プロモーターの創出を目的とするならば、カスタマーエクスペリエンスに取り組んだ成果検証として最も適している指標は、ネットプロモーター・スコアだ。「この商品(サービス)を友人・知人・家族にすすめますか」という質問を11段階で評価してもらうもので、9、10をつけた顧客をプロモーターと定義する。実にシンプルだが、CS調査よりもロイヤルティ測定には適しているという見方が強い。
<今月のキーワード>ビジネスKPI
今月のキーワード 2012/05/21
コンタクトセンターのパフォーマンスやクオリティを測定するKPI(Key Performance Indicator)には、実にさまざまな種類がある。
代表的なものは「X秒以内にY%のコールに応答する」というサービスレベルの目標達成率、放棄呼率、平均応答時間、平均通話時間、平均後処理時間、オペレータ稼働率などがそれにあたる。
もちろん、これらを常時チェックし、悪化した項目の原因を探り対処することはセンター・マネジメントの基礎中の基礎である。各KPIの相関関係を理解することは、センター長が真っ先に習得すべきマネジメント・スキルだ。
しかし、「いくらパフォーマンスやクオリティをチェックしても、経営貢献度が測定できない」という見方も強い。収益や売り上げへの貢献度を示すことができないゆえに、コンタクトセンターの位置づけが向上しない。位置づけが向上しないので投資も認められないばかりか、コストカットだけを要求されているのが現状だ。
コンタクトセンターの経営貢献度を測定する指標――それが「ビジネスKPI」である。
経営への貢献要素は、コスト、顧客満足度、売り上げ――の3種類に分解できる。
コストは、処理(対応)件数を高めて稼働率を上げる、あるいはセルフサービスでの解決率を向上することで削減できた運営費(主に人件費やアウトソーシング費)で示すことができるが、これは品質低下と紙一重の取り組みになりがちなので注意が必要だ。さらに言えば、この要素だけに注力することを求められている限り、「コールセンターにかけるお金は投資ではなくコスト」と経営陣に見なされている証明ともいえる。
次に顧客満足度向上への貢献だ。まずは「顧客が何を求めているか」を知ることから始まるが、多くの場合は「つながりやすさ」と「問題解決」である。つながりやすさは前記したKPIのなかのサービスレベル達成率や放棄呼率、問題解決は一次対応完了率などがそれにあたる。問題は、この数値そのものは収益に反映しにくいということで、これをビジネスKPI化するには中長期的にロイヤルティを測定する指標(離反率や取引/利用継続率など)を合わせてチェックしなければならない。極めて難易度が高いといえそうだ。
最後の売り上げ貢献は、会員ビジネスや通信販売など、測定しやすい業種も多い。会員に対するキャンペーン案内に伴う成果や通信販売におけるアップ/クロスセル率などが該当する。
放棄呼率だけに一喜一憂していても経営貢献は認められず、人材やITに対する投資もリターンを期待できないコストとしか見てもらえない。再度、コンタクトセンターの貢献度を考え直し、経営層にアピールする取り組みが必要だ。
<今月のキーワード>ソーシャルメディア顧客対応
今月のキーワード 2012/04/20
コンピューターテレフォニー5月号から定期企画としました「今月のキーワード」。毎号、コンタクトセンター運営/カスタマーサービスに関するホットワードなどの用語を解説します。初回は、「ソーシャルメディア顧客対応」です。
TwitterとFacebookの利用者拡大が、企業と顧客の接点のあり方を変えつつある。
この2つに代表されるソーシャルメディアの国内利用者は、のべ人数にして4000万人を超えた。企業も公式アカウントや公式FBページを設けて、キャンペーンやサービス/製品の告知に活用している。現在、これらのチャネルを管轄している部門は、マーケティング部や広報部であるケースが圧倒的に多い。
ところが、ソーシャルメディアは単なるWebサービスではなく、「顧客接点」のひとつであり、消費者や顧客とのコミュニケーションが発生する。Twitterを例にとれば、公式アカウント向けへのつぶやきに対応するパッシブサポートと、製品やサービス、企業へのつぶやきを検索して能動的に対応するアクティブサポートという手段がある。いずれの手法にせよ、顧客接点である以上、「コンタクトセンターが担当すべきでは」という議論が巻き起こっているのだ。
従来、いや現在もコンタクトセンターの主な役割は、マーケティングやセールス活動の“受け皿”である。マスメディアやWebサイトを中心とした消費者へのアプローチの結果、発生する注文や問い合わせに電話やEメールで対応する――というように、役割もチャネルもキレイに分担されている。
ところが、ソーシャルメディアの場合、告知とコミュニケーションの場(スペース)がまったく同じなのだ。従って、プロモーションなどのマーケティングとコミュニケーションを担うコンタクトセンターの一体化――まで達するのは一足飛びには難しいだろうが、より強固な連携は絶対に必要となる。
実際に、コンタクトセンターの担当者のなかにはソーシャルメディア対応において、マーケティング部門から「この場合はどうすればいいのか」とアドバイスを求められることもあるという。対応件数が多くなれば、この頻度はさらに上がる。結果的に、対応品質や回答内容の一貫性を保つためにも組織的な対応が要求されるため、もともと組織対応を得意とするコンタクトセンターがその役割を担うべきという見方は成り立つ。
現場のマネジメント層は「負荷が重い」として敬遠する傾向が強いようだが、利用者が拡大すればするほど、組織対応の必要性は高まる。早い段階での準備が必要といえる。
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